英単語を頑張って暗記しようとしているのにすぐ忘れてしまう。良い暗記法はない?
このような疑問に答えていきます。
まずみなさんは、脳の仕組みを考えて暗記をしているでしょうか?そんなこと考えたことがなかったという人にとってこの記事は必読です。
本記事では、脳科学に基づいて英単語を忘れてしまう理由と効率的な暗記法を解説していきます。
今回の内容は、英語力の底上げにつながるだけでなく、様々な勉強にも応用できる内容になっています。
ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。
英単語を忘れる理由①:十分な復習をしていない
英単語を忘れる理由の一つ目は、十分な復習をしていないことです。
なぜなら、復習をしていないと英単語を長期記憶として脳に定着させることができず、必要のない情報として忘れてしまうからです。
まずは、英単語を忘れるメカニズムを脳科学的に見ていきましょう。
「忘れる」は脳の標準機能
まず前提として「忘れる」は脳の標準的な機能であるということです。
一つのことを時間をかけて覚えようとしたところで1日経てば半分以上、さらに1週間も経てばほとんど覚えていないことが多いでしょう。
たとえば、1週間前に食べた夕食の内容を正確に覚えているでしょうか?おそらく全く覚えていないという人が多いと思います。
きっとこの記事を読まなければ、1週間前の夕食の内容なんて一生思い出そうとしなかったでしょう。つまり、もう必要がない情報ということです。
こんなふうに、脳は必要のないと判断した情報は、どんどん忘れるようになっているのです。
「忘れる」から新しいことを覚えられます。「忘れる」は決して悪いことではなく生きるために必要な機能です。
「忘れない」ためには時間よりも頻度が重要
必要のない情報を忘れるように脳はできていると言いました。それではどのような情報を重要と判断するのでしょうか?
それは、出会う頻度が高い情報です。実は長時間触れている情報ではないのです。
そのため、1単語を効率よく覚えるためには、1つの単語に長い時間をかけるよりも、学習する頻度を増やした方が良いということになります。
1回の学習時間が30秒程度であっても、4回、5回と繰り返していれば、長期的な記憶となっていき、忘れなくなります。
1日以上の間を空けて、繰り返し学習すると良いです。
英単語を忘れる理由②:場面や感情に紐付けていない
英単語を忘れてしまうもう一つの理由は、場面や感情に紐付けて英単語を覚えていないという所にあります。
英単語をただ見てそのスペルや発音を覚えるのは、他の記憶と関連づいていない孤立した記憶になっているということです。
この状態では、記憶されているのになかなか思い出すことができませんし、必要ない記憶としてすぐに忘れてしまいます。
記憶を取り出しやすくするためには、エピソード記憶として定着させる方法が有効です。
エピソード記憶で関連づけ
たとえば、楽しかった出来事や辛かった出来事は今でもよく思い出せますよね?
これはその当時の出来事が「楽しい」や「辛い」といった感情と密に結びついて記憶されているからです。
これはエピソード記憶と呼ばれる記憶で次のような特徴があります。
エピソード記憶とは、「個人が経験した出来事に関する記憶」で、例えば、昨日の夕食をどこで誰と何を食べたかというような記憶に相当する。エピソード記憶は、その出来事の内容 (「何」を経験したか)に加えて、出来事を経験したときのさまざまな付随情報(周囲の環境すなわち時間・空間的文脈、あるいはそのときの自己の身体的・心理的状態など)と共に記憶されていることが重要な特徴である
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/エピソード記憶
このエピソード記憶は、他の関連する情報と紐付いて記憶することになるので、長期記憶になりやすいです。
したがって、英単語を忘れなようにするには、単語をエピソード記憶として場面や感情など他の付随情報と関連づけて覚えるのが良いということです。
単語をお経のように唱えるだけでは意味がありません。
具体的にイメージする
先ほどもいったように、単語そのものを暗記するだけでは、すぐに忘れてしまいます。忘れないようにするには具体的な場面や感情に紐付ける必要があるのです。
僕たちの脳は日本語を話すときに「この場面ではこの単語が適切だな」という言葉選びを無意識的にやっています。
なぜなら、そういった場面を実際に自分で経験したり、人から聞いたりしてエピソード記憶として定着しているからです。
英単語を覚える際も、これと同じような状況にすることが重要です。
したがって、英単語を覚える時には、自分が今どんなシチュエーションにいて、どんな気持ちでそのフレーズを発しているかに意識を向けましょう。
英単語を忘れない効率的な暗記法
ここまでで、英単語を忘れてしまう理由がわかったかと思いますので、具体的な暗記法を紹介していきます。
僕はこの方法を使って英単語の暗記をしてきましたが、何より「使える英語」が増えたことを実感しています。
「使える英語」とはただ知識として知っている英語ではなく、英会話の中で聞き取れたり、話せたりする英語のことです。
かなりやる価値のある内容になっていると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 1日100単語に触れる
- 覚えられなかった単語のみ復習する
- 全ての単語の確認テスト
1日100単語に触れる
まずは1日で100単語などできるだけ多くの単語に触れましょう。暗記に使う時間は1単語につき20〜60秒程度で十分です。
何回か会ったことがある単語に対しては20秒、初めましての単語には60秒はかけると良いでしょう。
エピソード記憶になるよう、具体的な場面を想像しながら例文を発音します。この時できるだけドラマのセリフのように気持ちを込めると効果的です。
少し恥ずかしいかもしれませんが、これくらいやらないと長く記憶には残りません。
覚えられなかった単語のみ復習する
覚えられなかった単語は、次回復習がしやすいように暗記カードに書き出しておきましょう。
- 100均などに売っている暗記カードを用意する
- 暗記カードの表に英単語(例文つき)、裏に日本語訳を書く
- 英文を見て約1秒以内にその意味を答えられたらそのカードを外していく
復習するタイミングは最初の学習から1日〜3日以内に行いましょう。
これを繰り返すことで、学習対象を覚えられなかった単語だけに絞ることができ、その単語への出会う頻度を効率よく上げることができます。
全ての単語の確認テスト
暗記カードの単語を覚え切ったら、100単語ずつまとめて確認テストをします。この時、最初の学習ですでに覚えられていた単語も含めます。
確認テストと言っても特別用意するものはなく、単語帳などで英単語を見て即座に意味を答えられるかを見る程度です。
覚えられているかの目安は、単語を見て1秒以内にその単語の意味を答えられるレベルです。
なぜなら、リスニングやスピーキングなどの実際に使う場面では、これくらいの瞬発力が必要になるからです。
逆に言えば、これくらいのスピード感で出てこない単語はまだ実践で使えるレベルの英語になっていないということです。
英単語を忘れる理由と効果的な暗記法:まとめ
脳科学に基づいた効率的な暗記法ということでここまで解説してきました。本記事の内容をまとめます。
- 十分な復習をしていない
- 場面や感情に紐づけていない
- 1日100単語に触れる
- 覚えられなかった単語のみ復習する
- 全ての単語の確認テスト
いかがだったでしょうか?
ただ気合に任せて、英単語を覚えても空回りして結果、時間の無駄になってしまいます。脳科学に基づいて記憶をコントロールして効率的な学習をしていきましょう。
ここで紹介した話は、英単語の暗記に限らず様々なジャンルで応用が効くと思います。ぜひ、本記事の内容を活かしていってください。